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色々な社会資源~「デイケア」のメリット・利用方法を解説~
日本には、障がい者の方の就労をサポートする様々な社会資源があります。今回は「デイケア」についてご紹介いたします。
「デイケア」は、障がいを持つ方が日中に利用できる通所型の就労・復学支援サービスです。精神的な障がいを持つ方を対象としており、「精神科デイケア」とも呼ばれます。
例えば、次のような症状をお持ちの方が利用しています。
・統合失調症
・アルコール依存症
・発達障がい
・うつ病
これらはあくまで主な例です。上記以外のご自身の症状について気になる方は、主治医などに相談してみてください。
デイケアを利用される方によって目的は様々です。厚生労働省が掲載している、デイケアの主な目的は次の通りです。
・精神疾患の再発防止
・生活リズムの改善
・自立と成長
・地域生活の充実
・対人関係の練習
・体力や集中力の回復
就労や復学のリハビリテーションやスキルアップになることはもちろん、日中活動の場にもなります。生活のリズムを整えたい方、引きこもりがちになってしまう方、人とのコミュニケーションに自信を持ちたい方にもおすすめです。
最近はうつ病などの精神疾患の件数が増えており、そういった方を対象とした復職リハビリに力を入れるデイケアも増えているようです。
デイケアの種類は大きく2つに分類できます。
①保健センターなど公的機関が実施しているもの
②病院やクリニックが実施しているもの
①の場合、費用は無料である場合が多いですが施設によって異なります(実施していない場合もあります)。お住まいの自治体やお近くの自治体の情報を確認してみてください。
②の場合、病院やクリニックによって実施するプログラムが異なり、費用も変わってきます。
主には、次の要素で費用が変わってきます。
・実施規模(何人程度で実施するのか)
・時間(どの時間帯に何時間実施するのか)
・食事代などのその他費用
デイケアのプログラムの具体例として、次のようなものがあります。
・料理、華道、茶道、園芸、音楽など、興味のあることを通じて活動力を鍛えるもの
・ヨガ、ウォーキング、卓球などの球技など、運動を通して体力と人とのコミュニケーション能力を高めるもの
・認知行動療法、ソーシャルスキルトレーニング(SST)などによって、自分の症状や考えについての理解を深めるもの
・パソコンスキルや資格など、就労に役立つ能力を身につけたり、応募書類作成や面接対策など実践的な対策を行うもの
どのようなスケジュールで過ごすかは、ご利用するデイケアのコースによって異なりますが、まずは通所に慣れることを目標にし、慣れてきたら、個人の活動やグループ活動を織り交ぜたプログラムを組むことが多いようです。
また、デイケアによっては年齢の制限があったり、病気を限定している場合があります。
主治医に相談し、ご自身に合ったデイケアを探すことをおすすめします。
他の利用者の方と一緒に様々な問題に取り組むことで、自分らしさや自分の強みを発見できる可能性があります。
「緊張してしまう」「行くのが億劫」と思っていた方でも、いざ通い始めて、「行くのが楽しみになった」「他の利用者の方が温かくて居心地が良い」と感じるようになったということもあります。
ご本人だけでなくご家族の相談にのる機会や、家族教室や家族会を開催する機関もあります。
ご自身に合った環境で、一歩ずつ、気軽に歩みを進めてみてください。
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