就労移行支援と就労継続支援の違い「その2:就労継続支援サービスって?」
就労継続支援サービスについて
障がい者総合支援法に基づく「就労継続支援」とは、障がいや病気等で企業への就労が難しい方々を対象に、就労機会を提供しつつ、仕事で必要な知識やスキルを磨くためのトレーニングを行う福祉サービスです。希望者は「就労継続支援事業所」と呼ばれる施設で、就労に向けて様々な作業やワークを行います。
では、さらに詳しくご説明していきましょう。
就労継続支援事業所は「A型」と「B型」にわかれます。
どちらも障がいのある方が対象ですが、その違いについては以下のようになります。
就労継続支援A型事業所のメリット・デメリット
【メリット】
- ●原則最低賃金以上は保証
A型の場合、収入を増やすことが可能です。というのも、利用者は事業所と雇用契約を結び「労働」をするため、原則として最低賃金以上の給料は保障されることになります。
- ●無理なく働き続けられる
事業所には、サービス管理責任者、生活支援員、職業指導員…こうしたサポートスタッフが常駐しているので、無理せず働き続けられます。
- ●企業への就労とほぼ同じ
よりリアルな環境下で働けるのもメリットのひとつ。少しずつ経験を重ねながら得た知識や技術をもって、「就労移行支援」へのステップアップも可能です。
- ●安心して就労できる
雇用契約を結ぶ=労働基準法、最低賃金法等の法律が適用されます。従って、社会保険はもちろん、雇用保険や厚生年金等への加入もできます。
【デメリット】
- ●サービス内容に差がある
法律に基づき実施される福祉サービスですが、実際に提供されるメニューやサービス内容は事業所によって異なります。見学会や体験会等で、事前チェックしておくことが大事です。
- ●レベルアップが難しい場合も
単純作業の繰り返しを主とした事業所の場合、それ以外のスキルや経験を積むのは困難です。結果、自身に合わない就労となる可能性が出てきます。
- ●利用者を置き去りに?
通常は利用者の望みを叶えるべく就労へ向けての支援を行う訳ですが、中には「儲け」を第一に考え、有能な利用者を囲い込むような事業所もあるようです。
- ●悪質な事業者も
「提供されるサービスが不十分」「短時間労働ばかり」といった事業所は、国から支給される自立支援給付費等の補助金獲得を目的としているかもしれません。
就労継続支援B型事業所のメリット・デメリット
【メリット】
- ●状況に合わせて働ける
年齢や体力面、また重い障がい等のハンデがあっても働ける可能性があります。たとえば、1日1時間なら…など、一度事業所に相談してみれば良いかと思います。
- ●年齢に関係なし
年齢制限がないため、高齢の方の利用も可能です。自身で対応可能な範囲や得意分野など、希望の働き方ができる事業所と出会うことが大切です。
- ●毎日がイキイキ
親身に寄り添ってくれる支援スタッフはいつも笑顔でにこやか。そのため、多くの事業所はあたたかな雰囲気に包まれています。心身ともに無理のない働き方ができます。
- ●マイペースで無理なく
いわゆる「仕事」ではなく、自分自身の体調や障がいの程度に合わせて働くことができるのもB型のメリットのひとつ。少しずつステップアップできます。
【デメリット】
- ●収入が低くなりがち
A型と比べて自由度が高い分、工賃がかなり低めに設定されているので大きな収入は望めません。厚生労働所の調査では、令和3年度の平均月収は16,118円になっています。
- ●固定給でない場合も
B型事業所の多くが、作業量に応じて工賃が支払われる仕組みを採用しています。短時間で働けるというメリットの半面、少ない作業量だと収入は期待できません。
- ●キャリアを積みにくい
単純作業が多く、主な作業内容としてはピッキング、部品の組立、パンづくり、農作業など。気持ちの負担も少なめですが、キャリアは積みにくいです。
- ●最低賃金の保証なし
雇用契約を結ばないので、労働関連の各法律も適用範囲外となるため、一般的な「労働」の枠組みとは異なります。当然、最低賃金の保証もありません。
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